データセンターのPUE規制とは?冷却効果を維持する水質管理の重要性

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生成AIの普及により、データセンターではサーバーの高発熱化が進み、消費電力の増加が大きな課題となっています。
特に近年は、電力使用効率を示す指標である「PUE(Power Usage Effectiveness)」への注目が高まっています。
省エネ対応やESGの観点に加え、省エネ・非化石転換法により、データセンター業ではPUEの算定・報告や、一定規模以上の新設施設に対するPUE1.3以下の効率基準が求められるなど、PUE改善は実務上避けて通れないテーマになりつつあります。

PUE改善というと、空調設備の更新や冷却方式の見直しが検討されがちですが、それ以外にも隠れたポイントが存在します。
本記事では、PUEの基本や一般的な改善施策を整理したうえで、見落とされがちな「冷却水の水質管理」とPUEの関係について解説いたします。

PUEとは?基本をわかりやすく解説

PUE(Power Usage Effectiveness)は、データセンター全体で使用する電力のうち、どれだけをIT機器そのものに使えているかを示す指標です。
データセンターの省エネ性や運用効率を評価する際の代表的な指標として広く用いられています。

PUE = データセンターにおけるエネルギー使用量の合計(kWh)÷ データセンターにおけるIT機器エネルギー使用量の合計(kWh)

PUEは上記の式で算出でき、その値は「1.0」に近いほど効率が高い状態を意味します。

近年はAI用途のサーバー稼働により、ラックあたりの発熱量が大幅に増加しています。
その結果、冷却設備の消費電力比率も高まり、PUE改善の重要性がこれまで以上に高まっているのです。

データセンターに求められるPUE規制とは?

また、省エネ法対応やESG情報開示の流れを背景に、データセンター事業者間でもPUEを重要な運用指標として管理するケースが増えています。

日本では、省エネ法に基づくベンチマーク制度において、2030年度までに事業者平均PUE 1.4以下を目指す水準が示されています。
さらに、2029年度以降に新設するデータセンターに対しては、稼働2年経過の翌年度からPUE 1.3以下を目標とする基準も設けられています。

そのため現在は、単にサーバー性能を高めるだけでなく、「いかに冷却効率を維持するか」も重要なテーマのひとつです。

一般的なPUE改善施策

PUE改善に向けてさまざまな施策が実施されています。ここでは一般的な施策の例についてご紹介いたします。

空調の最適化

空調設定温度や気流制御を見直し、必要以上の冷却を抑えることが検討されます。
近年は、温湿度センサーやAI制御を活用し、負荷状況に応じて空調を最適運転するケースも増えています。

冷却方式の再考

従来の空冷方式に加え、液冷や外気冷却を取り入れる動きも進んでいます。
特に高発熱化が進むAIサーバー環境では、冷却効率向上を目的に液冷を採用するケースが増加しています。

各設備の更新

チラーや空調機器などを高効率設備へ更新することも代表的な施策の一つです。
設備更新によって消費電力を抑え、PUE改善につなげる考え方です。

配置や空間利用の改善

ラック配置や通路設計を見直し、冷気と排熱を分離することで冷却効率を高める方法です。
空気の循環を効率化し、局所的な温度上昇や過剰冷却を防ぐことで、空調負荷の低減につながります。

見落とされがちなPUE低減の落とし穴

PUE改善では設備更新や冷却方式の変更に目が向きがちですが、実施後も運用を続ける中で効率が低下しないよう、導入直後の性能を維持することが重要となります。

初期性能を維持し続けることは難しい

設計段階では目標PUEを達成していても、運用を続ける中で徐々に冷却効率が低下していくケースは少なくありません。
PUE改善施策を実施した場合でも、導入時の性能がそのまま維持されるとは限らず、運用期間が長くなるほど設備の経年変化などによって効率が低下する可能性があります。

特に冷却設備は、熱交換効率の変化が消費電力へ直結しやすい設備です。
わずかな性能低下でもチラー負荷や空調電力の増加につながり、結果としてPUE悪化を招く恐れがあります。

効率低下を見越した設計が必要

こうした背景から、実際のデータセンター運用では、将来的な性能低下を見越して余裕を持った設計・運用を行う必要があります。

一方で、設備能力に余裕を持たせるだけでは、ランニングコスト増加や過剰設備化を抑えることは難しいのも実情です。
そのため、「いかに効率低下そのものを抑えるか」という視点も同時に重要視されています。

冷却水管理がPUE維持に影響している可能性

その中で注目されるのが、冷却水の管理品質です。

冷却水内に異物やスケールが蓄積すると、熱交換器の伝熱性能低下や配管内部の流量低下を招きます。
その結果、チラー負荷増加や空調効率悪化につながり、冷却設備全体の消費電力増加を引き起こす恐れがあります。

こうした長期的な性能低下を抑えるためには、冷却設備だけでなく、冷却水の適切な水処理やろ過管理も含めた運用が重要になります。

PUE改善を支える「ろ過装置」

PUE改善を一時的な設備投資で終わらせず、長期的に維持していくためには、冷却水の状態を安定的に管理する仕組みが必要です。

その対策の一つとして挙げられるのが、「ろ過装置」の活用です。
冷却水を継続的にろ過し、不純物が少ない水質を保つことで、結果的に冷却効率維持や長期的なPUE改善へ寄与できる可能性があります。

ろ過装置は「継続運用しやすさ」が重要

ただし、冷却水管理のためのろ過装置は「ろ過精度が高ければよい」というわけではありません。

高精度なろ過が可能でも、定期的なフィルター清掃や交換が必要な装置もあり、運用負荷が課題になるケースがあります。
また、自動洗浄機能を備えたろ過装置であっても、異物量や水質条件によっては短期間で目詰まりが発生し、想定以上にメンテナンス対応が必要になる場合もあります。

特にデータセンターのように長時間連続運転を行う設備では、単にろ過できるだけでなく、「安定して運転を継続しやすいか」という視点が重要です。
冷却設備を止めずに水質管理を継続できることが、結果的に長期的な冷却効率維持につながります。

自動洗浄式ろ過装置「フィルトマット」という選択肢

こうした用途においては、自動洗浄機能を備えたろ過装置「フィルトマット」がお勧めです。

フィルトマットは、ろ過中にスクリーンを自動洗浄する構造を採用しており、フィルターの目詰まりを抑えながら連続運転しやすい点が特長です。

また、冷却水内の異物蓄積を抑えることで、熱交換器や配管内部の汚れ低減につながり、冷却設備全体の性能維持へ寄与できる可能性があります。

まとめ

AI需要の拡大に伴い、データセンターではこれまで以上にPUE改善への対応が求められています。

PUE改善の対応策としては、設備更新や冷却方式に注目が集まりやすく、運用中の性能低下や冷却水管理まで十分に考慮されないケースも少なくありません。
しかし実際には、冷却水を適切にろ過・管理することで、熱交換効率の維持や冷却設備負荷低減につながり、結果として長期的なPUE改善へ寄与できる可能性があります。

当社では、冷却水管理向けに自動洗浄式ろ過装置「フィルトマット」をご提案しております。
冷却設備の安定運用やメンテナンス負荷低減をご検討の際は、ぜひお気軽にご相談ください。

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